Snap Shot 15

「アサヒカメラ10月号」を見て、ショックを受けています。
中平卓馬『あえて望んだ斬新熟視』、表紙を入れてカラー17点。
その後にある上田義彦の作品が色褪せて見えます。
昨年出版された『hystelic中平卓馬』は、未だに入手はおろか、目にしてもいません。
雑誌「Esquire3月号」に『自らの凝視、そして反転凝視。』と題するカラー6点に加えて、森山大道との珍道中?があり、中平を撮影する森山のカットもあり、二人の関係を驚愕と羨望で見ました。
その「Esquire」の中で森山は、
「明快に映っているものがすべて色っぽいのに驚くよ。よく「写真に色気がある」というのとは違う、映ってる世界のある種の凄まじさに打たれる。発光している、そういう風に見えるんだよ……誰にも行けない世界だね」と言う。
且つて、『なぜ植物図鑑か』で、「事物の投げ返す視線」を論理で捕えようと記憶喪失した写真家は、30年を経た今、それを捉え切ったのだと思います。
奈良原一高の“空飛ぶドラム缶”、森山大道の“光る帽子”を見た時に匹敵する衝撃を受けています。
そして今月、「日本カメラ」の巻頭は、奈良原一高の『HEAVEN』でした。
ということで、久しぶりに2冊のカメラ雑誌を買う羽目に…。

この3月に島根県立美術館で始まった森山大道写真展に続き、10月4日から横浜美術館で、何と!中平卓馬の展覧会が開催される。
意識して写真を撮るようになった大学時代、森山の写真と中平の映像論が、僕の生活の中心にありました。
そして2003年、まるで20世紀を総括するように、その二人の足跡を見ることができます。

_2003.9.21