同じ工事現場とは言っても、建設現場よりは解体現場の方により惹かれる。 消失への憧憬。 破壊への衝動。 死の匂い。 自宅裏の立体駐車場の破壊が始まった。 解体とかいうような生易しいものではなく、まさしく破壊だ。 二月ほど前まで、数十台の車両を支え続けた金属群が、飴細工のように捩じ曲げられ切り裂かれる。 新しいマンションが建つのだろう。 破壊と建設。 破壊と創造。 破壊の上にしか創造はないのだ、とすれば、真に破壊されるべきものとはいったい何だろうか…。
_2004.3.19