視的生活
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東三国

銀閣寺

東三国
尼崎
東三国

このところ、草や花や木、植物に眼をとめることが多い。
連日のように35℃を超える真っ昼間は、人通りも少なくなり、野良猫たちもひたすら隠れている。町中とは言え、そこには、昆虫と植物の生命力が、溢れている。
高温と直射日光に怯みながらてくてく歩いていると、ここぞとばかりに光を深呼吸する木々の葉、元気な虫を呼び込もうと、一層輝きを増す花々から、シャッターを切れよ、とばかりに立ち止まらされる。
立ち止まる。ファインダーを覗く。息を止めてシャッターを切る。その瞬間、またも全身から汗が吹き出る。
デジタルカメラにすっかり慣れた体は、すぐにモニタを見ようとするが、1回のシャッターの汗でもうドロドロ、テカテカ。その上、この日射しでは、あまり要をなさない。
ぼんやりした頭で、それでも夏の生命が記録できる、と考えたりもする。エロスがタナトスを覆い隠してしまう夏。

_2005.8.11